街道歩きをしようと思って、ホテルも予約して前日入り!でも朝起きたら土砂降りだ!☔
先日、一番悲しいパターンが起きてしまいました。
GWにまとまった休日が取れたので、小田原近くに前泊して、朝から箱根の山を上る予定でした。
しかし、天気予報はどうも雨。
どうしようかな~と思いつつ、直前まで様子を見ていましたが、どう見ても土砂降りになりそうなので、諦めることにしました。
箱根の旧東海道は、石畳みの階段が多く、すごく滑りやすいです。
晴れの日でも滑りやすくて怖いなーと思ったくらいなので、雨の日に歩くのはやめたほうが良いと思います。
でもせっかく来たんだから、何かしたい!!
ということで、色々と調べてポーラ美術館に行くことにしました。
全然知らなかったのですが、実は箱根は山の中に美術館がたくさんあります。
それも普通の美術館ではなく、箱根の自然を生かした「自然×アート」をコンセプトにした、外観も建築もおしゃれな美術館がいくつもあります。
例えば有名なのが、彫刻の森美術館。
緑豊かな自然の中に近現代の彫刻作品が展示されていて、まさに「体験型のアート」という感じです。
ここもすごく行きたかったのですが、土砂降りの日には向かない美術館だと思い、断念。
他にも、ガラス細工中心の箱根ガラスの森美術館、日本・東アジアの美術品が揃う岡田美術館など、色んなジャンルの美術館があります。
私がその中で行き先に選んだのは、モネ・ピカソなど印象派から現代アートまで絵画が揃うポーラ美術館。
ガラスや陶芸品よりも絵画の気分だったのと、雨の日でも楽しめそうだったからです。
ポーラ美術館はアクセスがちょっと大変
ポーラ美術館は、箱根の山の中にあります。
行く方法は、電車とバスを乗り継いでいくか、車で行くか。
公共交通機関を使う場合、乗り継ぎが何度もあるうえに、本数が多いわけではないので、時間調整が少し難しいです。
特に、周辺の美術館をいくつも回りたい場合は、車で行く方が楽だろうな、と感じました。(車は渋滞が心配ですが)
私は小田原駅からポーラ美術館まで、こんな感じで行きました。
- 行き:箱根登山バス(小田原駅→小涌園駅)→乗り継ぎ→箱根登山バス(小涌園駅→ポーラ美術館)
- 帰り:無料送迎バス(ポーラ美術館→強羅駅)→箱根登山鉄道(強羅駅→小田原駅)
行きはバスだったのですが、バスが数分遅れたことでタッチの差で次のバスに乗り遅れ、30分ほど待ちぼうけでした。
今は最寄り駅からポーラ美術館まで無料送迎バスが出ているので(25年5月現在)、電車のほうが計画通りに移動できて良いと思います。
箱根を公共交通機関で回る場合、電車やバス・ロープウェイなどが乗り放題の箱根フリーパスがお得。
1か所だけなら普通に払ったほうが安いですが、数カ所回るなら、フリーパスのほうが安くなることが多いです。
現地でも、結構使っている人を見ました。
山の中に広がるアートの空間
山の中を上っていくと、豊かな自然の中に、モダンな入口が見えてきます。

私は人込みが嫌いなので、朝一の9時(を目指しましたが、バス乗り継ぎに失敗して10時前)に到着しました。
バスの乗客が多かったわりに、ここで降りたのは数人。
緑の髪の毛に原宿系ファッションの外国人女性と、一眼レフを持っていそうなタイプの男性数人。
わざわざ朝一で、こんな山の中まで来てアートを見ようという人たちに、なんとなく連帯感を感じます。
中に入るとまず、入口までの通路がガラス張りで、山の木々が頭上を覆うように見えました。
ワーっと声を出したくなるような、緑豊かで開放的な空間。
「近代×アート×自然」のコンセプトが感じられ、ワクワクした高揚感でいっぱいになります。
エスカレーターを下りていくと、美術館の受付へ。

下から見上げるとこんな感じ。

職員の方の服装が、男性も女性も上下黒のパンツスーツなのが凄くカッコよくて素敵です。
百貨店の美容部員さんを彷彿させるスタイルで、なんとなくPOLA感を感じます。
ポーラ美術館のロゴも白黒なので、これが美術館のコンセプトカラーなんでしょう。

私はオンラインでチケットを購入済なので、さっとQRコードを見せてスムーズに入場できました。
山の中なので、たまに電波がつながらないことがあるそうです。
オンラインチケットを購入する場合は、QRコードのスクショを忘れずにとっておきましょう。
荷物は無料ロッカー(100円入れて後で戻ってくる)があるので、そこに預けました。
小さめコインロッカーがそこそこの数と、大型のスーツケースを預けられる場所もあった気がします。
充実の企画展。何度行っても楽しそう
ポーラ美術館は、常設展よりも企画展のほうが展示量が多く、充実していました。
私が行ったときは、一番大きい地下1階の展示室1と、地下2階の展示室2・展示室3が、企画展。
地下2階の展示室4・展示室5が常設展でした。
ポーラ美術館には1万点以上の作品が収蔵されていて、それを色んな企画に合わせて入れ替えながら展示しています。
なので、時期によって異なる作品が展示されていて、何度行っても楽しめそうです。
例えば有名な収蔵作品でいうと、モネの「睡蓮の池」。
私が見に行ったタイミングでも展示されていました。

他にも、ルノワールやセザンヌ、ゴッホなど、印象派の絵画が充実しています。
企画展「カラーズー色の秘密にせまる」
私が行った時の展示会は、「カラーズー色の秘密にせまる」。
色彩と表現をテーマに、印象派から現代アートまで、絵画や展示物が展示されていました。

GWとはいえ朝の10時台はまだ人が少なく、ゆっくりと自分のペースで見て回れてよかったです。
展示物同士の間隔も広めで、1つの作品に何重にも人だかりができる、みたいな状況は全くありませんでした。
「PINTOR」というアプリをダウンロードすると、作品に近づくだけで解説が自動表示されるそうです。
私も入れてみましたが、使い方が分からず。涙
事前にアプリを準備しておくと、現地でスムーズだったなと思いました。
今回すごく印象に残ったのが、モネの「睡蓮の池」。
水面に映る木々の緑が、本当に水面に映っているような光り方をしていて、自然の光をこんな風に表現できるんだと(月並みな表現ですが)感動しました。
近くで見ると絵具を重ね塗りしているだけなのに、少し離れてみると、水面の光が浮かび上がってきて、絵画ってすごいですね。

少し離れて見て、また近づいて見て、を繰り返して、楽しい体験でした。
こんな風にじっくりと一つの絵画を鑑賞できるのも、早起きして山の中まで来たおかげだと、贅沢な気分でした。
企画展自体は現代アートがかなり充実していて、「よくわからない感」も含め新鮮で刺激的な内容でした。
こんなのとか、

こんなのとか。

特に面白かったのが、一見すると真っ黒の絵画。
いくつかの黒い四角形を組み合わせて1枚の絵画にしていて、抽象絵画の到達点の一つとされているそうです。
「説明なしでは全く理解できないものを、芸術としてどう理解するべきか」とか、色々と考えるきっかけになる面白い作品でした。
ポーラ美術館では、写真NGの作品にはNGマークがついています。
このブログに載せているのは、撮影OKの作品のみです。
この企画展の目玉の一つが、草間彌生さんの体験型アート。
1グループ30秒づつ、草間彌生さんのアートで飾られた密閉空間に入って自由に過ごすことができる、というものです。
私はまださほど混んでいない時間だったので、10分ほどで入れました。
でも私の番から、人混みが多くなってきたので、1名は別グループと一緒に入って、と言われてしまいそこだけ残念。
体験型アートは特に、人の少ない時間に行くのが大事ですね。
ちなみに草間彌生さんのアート空間は、キラキラチカチカしていて、とても草間彌生さんでした。
アートは館外にも。森の遊歩道
ポーラ美術館には、周りに全長1kmの遊歩道があります。
遊歩道沿いには、彫刻作品が飾られていて、鳥の鳴き声を聴きながらアートを体験する空間になっています。
この日は雨だったので、ほとんど遊歩道を歩く人はいなかったのですが、もったいない!!!
雨の日こそ、遊歩道がおすすめなんです。
まず雨の日は、人がほとんどいないので、森の中の静寂、そこに響く鳥の鳴き声を贅沢に楽しめます。
そこにしとしとと聴こえる雨音。
光に当たって輝く緑と、木々の深い黒。立ち込める霧。とっても幻想的な空間です。

ポーラ美術館に行く日が雨だったら、ラッキー!と思って、遊歩道に行ってみてほしいです。
カフェもショップも充実
ポーラ美術館には、フレンチ系のレストランと、カフェがあります。
どちらもとてもお洒落な空間です。
カフェは、目の前がガラス張りで、山の緑が一面に広がる空間。天井からも光が注ぎます。

メニューはサンドイッチなどの軽食やデザートにコーヒー類。
映えそうな見た目のデザートを頼んでいる人も多かったですが、私はサンドイッチを頼みました。

ショップも充実していました。
モネの「睡蓮の池」デザインのグッズなど、定番の商品はもちろん、今回の企画展のTシャツやチョコなどもありました。
ポーラ美術館はオンラインショップもありますが、オンラインでは販売していない商品もあった気がします。
電車・バスで行く人は、帰りの送迎バスの時間を調べてから、時間調整にショップやカフェに寄るのがおすすめ!
送迎バスは30分に1回くらいの間隔なので、微妙に時間が余ったりします。
まとめ
箱根の山を上る予定が、あいにくの雨で、代わりにポーラ美術館に行ってきました。
当初は少し不本意だったのですが、ポーラ美術館があまりにも良かったので、今は雨が降って良かったとまで思っています。
こんな機会でもなければ、わざわざ美術館目当てで箱根に行くことはなかったと思うので。
次は、彫刻の森美術館にも行きたいな、と思い始めています。