東海道を歩く人にとって、今も昔も難所として知られるのが箱根の山越え。
通常の街道歩きと違って、ほぼ山登りの区間なので、体力的にきついのはもちろん、ある程度の準備も必要になってきます。
この記事では、箱根越えのうち、小田原~箱根の区間のルート解説をしています。
- 箱根越えってどんな感じのルートなの?
- 注意点は?
- 休憩場所はある?途中でしんどくなった場合はどうなる?
こんなことをまとめています。
ちなみに、私が実際にこのルートを歩いた時の記録も、別の記事にまとめています。
ルートの詳しい様子や実際にかかった時間、歩いた感想(どれくらいきついか等)も知りたい方は、こちらもどうぞ。

ルート概要
ルート | 小田原(本陣跡)~箱根関所 |
---|---|
距離 | 16.7km |
所要時間 | 5時間30分(時速3km、休憩なしで) |
難易度 | ★★★ |
- 鈴鹿峠(三重)・中山峠(静岡)と並ぶ、東海道の三大難所の一つ
- 箱根の山をひたすら上る。街道歩きというより、「山登り」と考えたほうが良い
- 体力的にしんどいルートなので、少し覚悟が必要
箱根山越えはこんな感じ!ポイント3つ
①とにかくキツい上りがずっと続く。疲労度は他の区間と段違い
箱根湯本の旅館街に入ってからは、とにかく急な上りが続きます。
途中で少し平坦な道を挟むこともありますが、9割は上り。ほぼ休まる場所がありません。
特に山登りの後半では、急な階段をいくつも連続して上ります。これが本当にしんどい。


足がプルプルの限界状態になる覚悟をしていったほうが良い(笑)



でも、とんでもなくしんどかった、っていうのが逆に良い思い出になるよー
②旧街道は途中で、車道からかなりの山道に入っていく
基本は車も走っている県道沿いを歩きますが、途中途中で、細い横道に分岐します。
これが「箱根旧街道」というやつですが、初見だと、こっち行くの?!と思うような山道だったりします。
一応石畳が敷いてありますが、落ち葉で埋まってたりするので、道を間違えてないか不安になりやすいです。
信頼できる地図を手元に用意しておきましょう。







ちょっと不安になるような道もあるけど、山道を歩く楽しさも大きいよ!



街道を歩いてる人は、ちょこちょこいるイメージ
③山道の1/3ほどは、旧東海道の石畳。これが実は大変
箱根旧街道には、江戸時代に敷き詰められた石畳の残っている箇所が多くあります。
旧街道の風情があって良いのですが、実はこの石畳、かなり歩きにくくて、時間も労力も奪われます。
形も大きさも違う石が並んでいるので、踏み外さないよう慎重に歩かなければいけません。
さらに、苔が生えている石も多く、滑らないかかなりヒヤヒヤします。






ルートを歩くときに注意したいこと
①道が雪や雨で濡れている日は避ける
特に旧東海道の石畳は、路面が乾いている日でも滑りやすいです。
道が濡れていてる日は、さらに滑りやすくてかなり危ないため、できるだけ避けましょう。
②朝早くに出発する
山を登っている途中で日が沈んでしまうと危険です。
できるだけ余裕をもって、早めに出発しましょう。
体力次第では、想像よりかなり上りに時間を使う可能性もあります。



朝一のほうが、日差しもきつくなくて歩きやすいよ
③水や食べ物の補給、トイレは山に入るまでに
山に入ると、基本的にコンビニやお店はないと思っておいたほうが良いです。
(一応旅館や民家などは道中に出てきますが、期待しないほうが良い)
箱根湯本の旅館街の入り口辺りでコンビニが数件出てくるので、そこで最後の準備を済ませるのがおすすめです!
④無理しない。旧道にこだわらないのもあり
正確に旧東海道を歩こうとすると、足場の悪い場所や急な階段などが出てきます。
県道沿いをずっと歩けば、コンクリートで整備された平道でいけるので、不安のある人は旧街道をスルーするのもありだと思います。
※県道沿いをずっと歩く場合でも、ひたすら上りなので体力的にはきついです
途中離脱・休憩場所
途中の駅・バス停
小田原駅から箱根湯本までは、箱根登山鉄道がルート沿いを走っています。
また、箱根湯本から芦ノ湖までは、箱根登山バスがルート沿いを走っています。
なので、ルート全体を通して、各ポイントでの途中離脱が可能です。



山の中でキツくなっても、最悪バスで帰ってこれるから安心!
休憩場所
箱根湯本を越えて山の中に入ったら、基本的には芦ノ湖まで、コンビニや休憩スポットはないと考えたほうが良いです。
蕎麦屋や茶屋が出てくるのは、ほぼ山を上り終えた、残り数キロくらいの地点。
それまでに、旅館や民家は多少出てきますが、よほどの場合でなければ寄りづらいです。
なので、繰り返しになりますが、食料・飲み物の確保やトイレは、箱根湯本のコンビニで済ませておきましょう。
山の中に入ったら、ベンチや木の切り株・地面に座って休憩する感じになります。
おすすめ休憩スポット・箱根甘酒茶屋
ほぼ休憩スポットはないと書きましたが、芦ノ湖まで数キロのところに、箱根甘酒茶屋というお茶屋さんが出てきます。


ここは、江戸時代初期から400年以上、東海道沿いで営業しているお茶屋さん。
昔は何軒もの茶屋が箱根の街道沿いに並んでいましたが、今はこの1軒のみが残っています。
「峠越えに疲れたところで、茶屋でひと休憩」という、非常に街道歩きっぽいことができるのでおすすめです。
お店の外観・内装も、昔ながらの茶屋の雰囲気があって良い感じです。


お店には、徒歩で山を登ってきた人が記帳するノートも用意されています。





私は、ここで相席した人がたまたま街道歩き中の人だったよ!



今日三島まで行くのは難しいね~なんて会話も、街道歩きっぽくて楽しかった
各地点の風景


小田原を出て、しばらくは平道


だんだん風景が山並みに近づく


箱根湯本/温泉地の風情


湯本の旅館街から、急な傾斜に入る


旧街道に分岐(右の道を進む)


こっちで合ってるのか…?


県道沿いは歩道がないので、注意して歩く


ここの上りが特にきつい


杉並木も通る


畑宿/箱根寄木細工の工房が並ぶ


ひたすら石畳を上る


後半は階段が連続でやってくる


道中の景色はすごく良い


実は最後は下り


芦ノ湖/箱根神社の鳥居を通り過ぎる


しばらくは杉並木


箱根関所/当時の姿が再現されている
ルートQ&A
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