視覚過敏という特性がある。
目から入ってくる情報の刺激を強く感じるため、不快感やストレスを受けやすい
というものだ。
私は視覚過敏の傾向が強めだ。
これが原因で、しょっちゅう体調を崩している。
この記事では、私の抱えている視覚過敏がどういうものなのか、普段の見え方や感じ方について書いた。
この記事の内容
- 私の視覚過敏の症状
- 私はどんな風に世界が見えているのか
- どういう対策をしているのか
どんな感覚なのか、なるべくイメージができるよう、私の感じていることを具体的に書いた。
視覚過敏って、実際どんなもんなの??
と興味がある人は読んでみてほしい。
視覚過敏とは何か
視覚過敏とは、
視覚刺激を人よりも強く感じやすい、それによって日常生活で苦痛を感じることがある
という性質だ。一種の感覚過敏である。
感覚過敏とは
感覚の刺激が過剰に強く感じ、苦痛と感じるような状態のこと
- どんな刺激を苦痛と感じるのか
- どういう症状がでるのか
は人によって違う。
例えば、こういう感覚の問題がある。↓
- 強い光やチカチカした光が苦手(まぶしさ)
- 色や形など特定の苦手な視覚情報がある
- 文字を読むのが難しい
- 見え方に問題がある(奥行がわからない、ぼやける、揺れる)
出典:国立障害者リハビリテーションセンター研究所
感覚過敏は発達障害の人に多いので、「発達障害の特性」とよく言われる。
ただ、発達障害でなくても感覚過敏の問題を抱えている人はいる。
感覚過敏がある=発達障害、とはならないので注意!
私の視覚過敏の症状
私が感じている視覚過敏の症状は2つある。
- 眩しい
- 情報量が多いときつい
それぞれ説明していく。
眩しい
症状
まず一つは、とにかく眩しい、ということだ。
私の目を通した映像は、他の人の目に写る映像よりも全体的に眩しい気がしている。
パソコンの設定で、画面の明るさを変えたことがある人は、あれをイメージしてほしい。
他の人の目の明るさ設定が30%くらいだとすると、私は50%くらいで設定されている。
そういう感じだ。
そして、私の目の明るさ設定は、体調が良いときと悪いときで変わる。
私は(たぶん色んな感覚過敏が原因で)外出中にしょっちゅう体調を崩す。
そして体調が悪くなると、急に周りの明るさのボリュームが変わったのを感じる。
体調悪いなあ…
↓
(顔を上げる)
↓
眩しっっっっっっ!((+_+))
本当に、自分の目の明るさ設定が変わった感じで、急に全部が眩しくなっている。
そして、特に眩しい光がものすごく強く目に刺さってくる。向こうから光が飛んでくる。
こうなるともう、どこにいても眩しい。
カフェ、電車の中、外。全部がキツい。
とにかく耐えて、早く家に帰るしかない。
ちなみに、体調が悪くないときはここまでひどくない。
普段は、特に眩しい場所でなければ、その場にいる分には問題ない。
ただ、普段の状態でも近寄れない場所はある。こういうところだ。↓
- 家電量販店
- ライブ会場
- 屋外看板・広告(光るやつ)
- 映画館(映画の内容による)
- 夜の繁華街(これはギリギリ耐えられるけど相当キツい)
ライブ会場とかは別に行かなければ良いけど、そうもいかない場所もある。
例えば、夜の渋谷(昼もだけど)とかは本当に恐ろしい。広告ビジョン。ビルの明かり。大量の光が殴りかかってくる。
人類はこんなに光を使って、何がしたいんだ…
と思う。
眩しくなければOK?
眩しくてその場にいられない
ってレベルでなければ、問題なさそう。
と思うかもしれない。でも、そうじゃないんだ。
眩しくていられないレベルじゃなくても、ずっとストレスは受け続けている。
自分が気づく前から、ストレスは受けている。そしてストレスが大きくなると、自分でも「眩しっ!」と気づくのだ。
もちろん視覚過敏の人でなくても、眩しいとストレスは受ける。
でも、私は他の人よりも目の明るさ設定が高い。
なのでその分、普通に生活していても、眩しさから受けるストレス量が多い。
そしてそれが原因で、人より体調を崩しやすくもなる。
私が視覚過敏に気がついたきっかけ
小さい頃から、この世界がずいぶん眩しいとは思っていた。例えば
- 街の明かりが眩しい→車の中ではタオルケットを頭からかぶっていた
- 車のヘッドライトが眩しすぎる(大人はなんで運転できてるんだろう?)
でも、みんな眩しいのを我慢して生きているんだと思っていた。
明らかに自分と周りの人で光の許容できる度合いが違う、と気がついたのは、20代になってから映画館で映画を観ているときだった。
私はそのとき『シン・エヴァンゲリオン劇場版』を観ていた。
中盤、アスカちゃんがエヴァに乗って突撃するシーンがある。
クライマックス場面の一つだ。
いけーーーーーーー!
グオオオオオオオオオオオ チカチカ!(画面マッシロ) チカチカ!(画面マッシロ)
グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ チカチカ!(画面マッシロ)
(画面マッシローーーーー)
…正気じゃないだろ(゜_ ゜)
どう考えても、まともに直視できる映像じゃなかった。
眩しすぎて、目を閉じていても目の裏に光が入ってきて眩しかった。
絶対おかしいだろうと思って、こっそり周りを見渡したら、みんな楽しそうに映画を観ていた。
…これもしかして、おかしいのは映画じゃなくて私のほうか…?
目を固く閉じて、アスカちゃんの突撃が終わるまでずっと下を向いていた。
ちなみに後から友達に話したら、確かにエヴァはまぶしいわwwwと言われた。
ただ、
どう考えても頭がおかしいだろ
と思うほどの眩しさの映像を、周りの人が普通に見ているのは衝撃だった。
自分と他の人とでは、眩しさの許容度がけっこう違んじゃないか??
とこのとき気がついた。
情報量が多いときつい
症状
私のもう一つの視覚過敏の症状は、目に入ってくる情報量が多いときついというものだ。
こっちのほうが、日常生活ではかなり支障が大きい。
これがどういうことなのか、自分の感覚を説明するのはすごく難しい。
ただ、買い物に行くとこれがかなりの確率で起きる。そのときの状況はこんな感じだ。↓
お店に入ってモノを探そうとすると、すぐにグルグルする。
たくさんの情報が目の中に入ってきている、という感じがする。
何を見て良いのかわからない。
上手く考えられなくて、自分が何をしたいのかよくわからなくなる。
グラグラして、どんどん気持ち悪くなる。
とにかく、自分がモノを探すために見ないといけない情報量の多さに、圧倒されている感じがする。
イメージ的には、誰かに難しいことを早口で一気に言われている感じに近いかも。
グワーーーと情報が押し寄せてきて、もう何がなんだかわからない、みたいな。
それでも何とか、ほしいモノを探そうとすると、もっとグラグラする。気持ち悪くなる。
もうこうなると、早くお店を出て休むしかない。
ただ休んでも、大体その日はもう完全に回復することはない。
一日が潰れたことになる。悲しい。
症状が起きやすい場所
普段からいつもこうなるわけではない。
というか、買い物以外でこの状態になったことは、ほぼない。
それに買い物の場合でも、調子が良いときは最後まで無事に買い物を終えられる。
まだよくわかっていないが、特に苦手な条件があるみたいだ。
その条件がそろっているお店だと、入店した数秒後からもう体調が悪くなる。
- 商品を大量に所狭しと並べている
- 商品棚が高い、棚と棚の間隔が狭い
- 色んなところに細かい文字が書いてある(ポップ、商品説明など)
こういうお店で、よく体調を悪くする覚えがある。
ちなみに具体例をあげると、こういう場所だ↓
- ユニクロ(特に大型店)
- 東急ハンズ、ロフト
- 100均
- 図書館
狭いお店のほうがキツく見えるかもだが、私は大型店のほうが苦手意識がある。
スペースをゆったり広々と設けてくれているお店なら助かる。
でもそうじゃなくて、とにかくモノを大量に並べた大型店はただただしんどい。
目に入ってくる情報量は多い。
探すのにも時間がかかる。
特に大きいお店に行く場合は、基本的に最後まで買い物はできないものと思っている。
そもそも買い物は基本、3-4回に1回くらいしか成功しない、と思ってる。笑
私の視覚過敏への対策
眩しさ対策
正直、眩しさへの対策はあんまりできていない。
眩しいところに行かない、近寄らない。もしくはなるべく滞在時間を短くする。
これぐらいしかできていない。
目に入ってくる光の量を減らすレンズ(眼鏡)
というのは探したことがある。
ただ、
・色が濃い(=眩しくない)レンズ
→見た目がほぼサングラスで、屋内ではちょっと抵抗がある
・色が薄い(=ちょっと眩しい)レンズ
→あんまり意味がない
ということで、いったんあきらめた。
サングラスとして使うのなら、良かったかもしれない。
私の場合は、普段かけている眼鏡のレンズを、眩しくないものにしたかった。
ただそうなると、色々難しかった。値段も高い。
情報量対策
目に入ってくる情報量そのものを減らす
というのはかなり難しい。
「視覚情報を減らす眼鏡」
という、アイマスクに点々と穴が空いた感じの眼鏡はネットで見たことがある。
ただこれをかけるのはけっこう勇気がいる。
なので根本的な対策はできていないが、買い物をするときに気をつけていることはある。
買い物前
①何を買うか先にはっきり決めておく
…お店の中で、迷ってあれこれキョロキョロする時間を減らせる
②行ったことのあるお店に行く
…何がどこにあるのか分かっていれば、キョロキョロする時間を減らせる
買い物中
①必要な情報以外は目に入れない
…商品を探しているとき以外は、なるべく何も見ないようにして、余力をできるだけ残す
②入店前に気合を入れる
…これが意外と大事。自分のタイムリミット(15分くらい)を自覚して、よし一気にいくぞ!と気合を入れると、意識してキョロキョロを減らすことができる
他にも、少しでも体調が悪くなるのを遅らせるために色々工夫している。(このあたりは別の記事で)
体調を万全に整える
これは視覚過敏に関わらず、すべての感覚過敏で言えることだが、
とにかく体調を万全の状態にする
というのが本当に大事だと思っている。
体調があまり良くないと、感覚刺激からのストレスを、普段よりもかなり受けやすくなる。
なので、普段は大丈夫な場所でも、コンディションが悪いときだと、ガンガンにストレスを受ける。
そしてすぐに体調が悪くなる。
私はこれに気がついてから、少しでも自分の許容度を上げるために、体調管理に気をつけている。
ちなみに、体調を万全にするというのは
- 睡眠時間をしっかり確保する
- 健康的な食生活をする
こういう、いわゆる”良い生活習慣”を送るということだ。
私の場合は、睡眠時間の長さが体調に直結する。
なので、翌日に大事な用事があるときは、絶対に8時間寝るようにしている。
前日から勝負ははじまっているのだ。
おわりに
視覚過敏については、自分でもまだ分かっていないことが多い。
体調が悪くなった
↑
原因はこれかな。あれが良くなかったかな。
と、自分の症状から色々と探っている段階だ。
視覚情報はつねに目に入ってくるので、
この視覚情報が原因で体調が悪くなった!
というのがわかりにくい。
そのとき自分はどんな環境にいたのか。
何が自分の目に入ってきていたのか。
そういう小さな変化を観察していくしかない。
なので、体調が悪くなったときこそ、自分を知るチャンスだ。